うつ病の原因のひとつにその人の性格が大きく関係しています。
もちろん人それぞれ性格に違いがありますし、‘‘こういう性格だからうつ病になる!‘‘と言い切ることはできませんが、それでも「うつ病になりやすい性格」というものが存在しているのは事実です。
この記事では、うつ病になりやすいといわれる8つの性格をお伝えするとともに、「この性格に当てはまっている!」という方に、どのような心掛けが必要かお伝えしていきます。
ちなみに僕自身もうつ病を患っていますが、めちゃめちゃ当てはまっています・・・w
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目次
うつ病になりやすい性格の4つの研究
うつ病になってしまう原因やきっかけには様々なものがあります。まだはっきりと解明されていない部分もありますが、いくつか分かってきているものとしては、
- 遺伝的な要因
- 性格的な要因
- ストレスによる要因
- 環境の急激な変化による要因
などが挙げられます。それぞれが関連しあっている部分もあり、ひとくくりにまとめることは難しいのですが、ざっくりと「このようなものだ」というふうにご理解ください。
それでは特に性格的な要因に関して、どのような研究が行われてきたのでしょうか?まずはこれをみていくことにしましょう。
執着気質
執着気質とは、精神科医の下田光造氏の研究で発表された性格です。特徴としては、
- 凝り性
- 几帳面
- 完璧主義
- 集中力がある
- 責任感が強い
といったタイプの性格です。なぜこの執着気質の方がうつ病になりやすいのかというと、‘‘頑張りすぎてしまう‘‘からです。
執着気質の方は責任感が強いので、例えば上司から無理難題を押し付けられたとしても、なんとか課題解決のために努力をします。
また「少々難しいです・・・。」、「○○さんと協力してやってもいいですか?」といったように、上手に周囲を使って仕事をするというよりは、完璧主義で凝り性なので、上司から特段の指示が出ない限り、自分のタスクとしてひとりで取り掛かるのです。
このようにある意味、自分を犠牲にしてまで何かをやり遂げようとするので、周囲からは、
- いい人だ
- 優秀な人だ
- 便利な人だ
といったように評判は良いのですが、結果的にどんどん仕事を押し付けられてしまうような場合もあります。
そしてキャパシティーを超えても頑張りすぎて、オーバーワークになってパンクしてしまうというわけです。
メランコリー親和型性格
メランコリー親和型性格については、このようなうつ病に関する記事を読んだことがある方ならば、耳にしたことがあるかもしれません。
ドイツの精神科医であるテレンバッハ氏が提唱したメランコリー親和型性格とは、執着気質にかなり近いですが、
- 勤勉
- 誠実
- 律儀
- まじめ
- 几帳面
- 凝り性
- 世話好き
- 気配り上手
- 物事に熱中しやすい
といったような特徴があります。
このような特徴をみると、良心的でどちらかというと保守的、周囲との関係を大切にする‘‘良い人‘‘なイメージが浮かんだかと思います。
しかし裏を返せば、人との争いを極端に避ける傾向があり、なにかトラブルがあると自分が折れたり、がまんをしたりするようなタイプの性格です。
そのため人間関係がうまくいかなかったり、ルールどおりに物事が運ばないと、普通の人よりも強いストレスを感じてしまうので、うつ病になりやすいというわけです。
循環気質
循環気質は‘‘広い意味でのうつ病‘‘のなかでも、双極性障害、すなわち躁うつ病の患者さんに多い性格です。
普段は
- 親切
- 明るい
- 気が利く
- ユーモラス
といった方や、
- 物静か
- おだやか
- 落ち着いている
というような方なのですが、ときに「非常に興奮しやすい」といった一面も持っているようなタイプの性格で、こちらもドイツの精神科医であるクレッチマー氏によって提唱されました。
未熟性格
この未熟性格というのは、これまであげたものとは異なり、
- 依存的
- 社会不適合
- 人のせいにする
- ストレスに弱い
といったような性格で、その名のとおりある意味「未熟」な性格を大人になっても引きずっているようなタイプの方が当てはまるものです。
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うつ病になりやすい8つの性格
ここまで4つのうつ病になりやすいとされる研究例をみてきましたが、なんとなくそれぞれ似ているところがありますよね。このような研究からうつ病になりやすい性格を8つにまとめました。
まじめな人
まじめな性格はもちろん素晴らしいことです。しかしうつ病になる可能性も秘めているといって良いでしょう。これまでの研究例をみれば明らかですね。
まじめな人ほど、仕事熱心だったり、目標の達成のために努力を欠かさないものです。そのためある意味自省的な部分もあり、
- 今日は仕事がうまくいかなかった
- 今日はなにも勉強が進まなかった
といったように、誰かに責められたわけでもないのに、自分で自分を責めてしまって不要なストレスをため込んでしまうというわけです。
またまじめな人ほど‘‘息抜きが下手‘‘な傾向もあり、なにか強い目的意識や目標があったとするならば、極端な話ですが「遊びは悪」といったような考えを持つ方もいます。
もちろんまじめなのは素晴らしいことですが、同時にストレスもためやすいので注意しましょうね。
几帳面な人
几帳面というのも決して悪いことではないのですが、行き過ぎるとこれもストレスをためてしまうことにつながり、うつ病につながっていく可能性があります。
几帳面な人は、自分の中のルールがしっかりと守られていない状況がストレスになります。僕自身のケースでお話しすると、銀行で法人融資担当をしていた時は、完璧な稟議書(個別の融資案件に取り組むメリットを本部に説明し、承認を得るための書類)を作ることに、ある意味美学すら感じていました。
しかし転勤で忙しい支店の法人融資係になり、案件の数が増えたため、上司からは「完璧な稟議なんていらねぇ!60%でいいから早く出せ!」と怒鳴られてしまったことがありました。
当然、とんでもないストレスを感じましたし、これが直接の原因というわけではないですが、結局僕はうつ病と診断され休職しています。
正義感や責任感が強い人
これもいい人ですよねw
正義感が強く、悪いことやグレーなことを見過ごせない、あるいは責任感が強く、無理難題を押し付けられても何としてでもやり遂げたい。
そんなふうに感じやすい人はうつ病になりやすい性格かもしれませんね。
仕事熱心な人
仕事熱心な人もうつ病になりやすいですね。これまでお伝えしてきた性格と重なる部分もありますが、再び僕の知っている銀行員の例をお話しします。
この銀行員は行内でも有名な人で、能力が高く、30代という異例の若さで支店長代理というポストに就いた方ですが、とにもかくにも仕事熱心で日中は得意先や新規顧客を訪問しまくり、案件をゲットしまくり。そしてそうなると事務が追いつかないので、銀行内ではタブーな‘‘仕事の持ち帰り‘‘をしまくり。
これを支店長代理になっても、管理職のポストでありながらプレイヤーとしての仕事もやり続けた結果・・・ある日突然、銀行に来なくなったのです。
その日、驚いた支店長が部下を引き連れて必死になって探すと、彼は自宅から支店の方向とは逆の電車に乗って、その終着駅でひとり佇んでいたそうです。当然うつ病と診断され、現在も休職しているようです。
集中力がある人
「何かに没頭したり、一生懸命に物事に取り組む集中力が素晴らしい!」と、僕の高校時代の内申書には書かれていましたねw(自慢じゃないです)
集中力があるということは、言いかえれば一生懸命物事に取り組んでいるということです。ただ残酷な話ですが、集中して一生懸命に頑張ったとしても実現できないことはあります。
そのときのストレスたるや努力した人間にとっては非常に大きなものですよね。燃え尽き症候群とも関連してくる話ですが、集中力がある人もうつ病になりやすい部分があります。
秩序を大切にする人
何事もしっかりとした秩序の中で行われているという状況は素晴らしいことですし、その秩序を大切にする人はおおむね安定を求めている傾向があります。
そのような秩序だった状況が壊れそうになると、なんとか努力をしてその秩序を維持しようとしますが、人生そうでないこともありますよね。
たとえば会社がつぶれてしまったりとか、大切なひとが亡くなってしまったりだとか。そんな状況で秩序を大切にする人は大きなストレスを感じます。そのためうつ病になりやすいといえるのです。
ルールや規則を重んじる人
このような性格の人もうつ病になりやすいです。
基本的には保守的で周囲とも円満な関係を保つことを重んじているので、トラブルなどがあると強いストレスを感じやすい性格です。
周囲に気配りができる人
周囲に気配りをするのは当然良いことですが、やりすぎると自分が苦しくなりますよね。
周囲に上手に気配りができるからこそ、つい自分を犠牲にして我慢や無理を重ねてしまいます。それが知らず知らずのうちにストレスになってしまうということです。
つまり‘‘いい人‘‘
ここまで見てきていかがでしょう。どれも社会的には、
- いい人
- 良い性格
- こうあるべき人物像
だと思いませんか?このようにまじめで几帳面で責任感が強いからこそストレスをためやすいのです。
もちろん、このような性格の人全員がうつ病になるというわけではありませんし、最近では「新型うつ」のケースにもあるように、『このような性格に当てはまらない患者さんも増えている』というようなことを、僕の主治医の先生も言っていました。
性格はうつ病を引きおこす原因のひとつですが、あくまでも‘‘ひとつ‘‘にすぎません。ここまでうつ病になりやすい性格について書いてきて、こんなことを言うのもなんですが・・・性格は生まれつきのものですし、簡単に変えることはできません。
いま現在、
- うつっぽいかも?
- うつ病をと診断された
といった方は、性格のことを考えすぎるとそれがまたストレスになってしまいますし、考えすぎないようにしてくださいね。
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性格以外のうつ病の原因は?
もちろん性格はうつ病の原因のひとつですが、それだけのことです。
- 遺伝的な要因
- ストレスによる要因
- 環境の急激な変化による要因
なども関係するといわれていますし、極端な例だと、突発的な事故や戦争・テロなどで、家族や大切な仲間全員をを失って自分だけが生き残ったとしたら・・・たぶん明石家さんまさんでもうつ病になると思いますw
これは本当に極端な話でしたが、いずれにしても生涯に1回はうつ病を経験する人は15人に1人とさえ言われているのが事実ですし、うつ病の患者数は潜在的患者(病院でうつ病と診断されていない、そもそも病院に行っていない)も含め、日本だけでも100万人はいるといわれています。
誰もが発症しうるのがうつ病という病気です。あなたひとりだけがうつ病なわけではないんですよ。いずれにしてもこの辺のお話はまた別の記事でお伝えしていこうと思います。
まとめ
- 性格のせいだけでうつ病になるわけではない
- しかし‘‘うつ病になりやすい性格‘‘は存在している
- まじめ、几帳面、責任感が強いといった人は注意
- うつ病になりやすい性格は「良い性格」なので、自分を責めない
このようなお話をお伝えさせていただきました。とにかくストレスをためないように生活していきましょうね。
↓僕はいまこうしてうつ病と向き合っています↓
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