なぜ公務員にうつ病が多いといわれるのでしょうか?
データによると確かに精神疾患で休職している方が多いようですが、その原因や理由はどういったものなのでしょうか?
この記事では公務員とうつ病というテーマで、データをもとに公務員にうつ病が多い原因を紐解くとともに、現在うつ病と向き合っている公務員の方から寄せられた体験談をご紹介していきます。
さらに気になる休職中のお金の話なども、分かりやすくまとめていくのでぜひ参考にしてくださいね。
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目次
公務員とうつ病のデータ
まずは公務員とうつ病のデータをみていくことにしましょう。
- 公務員はうつ病が多い
- 公務員はうつ病になりやすい
そんなことを、ネット上や世間話などで耳にしたことがあるかもしれませんが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
人事院によると、
- 長期病休者は5,370人(全職員の1.95%)
- 原因のトップが「精神および行動の障害」によるもので3,468人(全長期病休者の64.6%)
という発表(※1)がされています。
この結果をわかりやすく言いかえると、国家公務員の100人にひとり(約1%)がうつ病などの精神疾患で長期的に休職しているということになります。
他の職業と比較すると、うつ病などの精神疾患で休職している人の割合は平均で0.4%(※2)なので、国家公務員のこの数字は非常に高い水準といえますね。
今回は国家公務員に限ったデータをご紹介しましたが、いずれにしても公務員にはうつ病が多いということは明らかです。もちろん他の一般企業とは異なり、
- 退職させられることがなく、
- 職員として居続けることができる
というのも結果的に公務員のうつ病の比率を高めている要因のひとつではあります。しかし、この数字はそれでも高い水準であるといわざるを得ないでしょう。
公務員がうつ病になりやすい理由
このように‘‘公務員がうつ病になりやすい‘‘、‘‘公務員にうつ病が多い‘‘ということは明らかになりましたが、その原因・理由はいったいどのようなものなのでしょうか?
こちらも様々な調査結果が出ていますが、簡単にご紹介していきます。あなたにも当てはまるところがあるのではないでしょうか?
部署や機関によっては激務
公務員は部署次第で仕事量が大きく異なるケースが多く、一般的なイメージとは裏腹に大変な激務をこなしている方も多くいらっしゃいます。
激務によって体調を崩した場合は、いわゆる‘‘楽な部署‘‘に異動になるといったケースも散見されます。
これは霞が関の国家公務員に限ったケースですが、2016年の霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)が発表した「霞国公2016残業実態アンケート結果」によると、
- 月平均残業時間は36.7時間
- 残業代の不払いがあると答えたのは全体の42.4%
- 過労死ライン(残業付き80時間以上)に3,060人(9.0%)
- 「過労死の危険を感じている」と答えた人が全体の3.1%
- 「過去に過労死の危険を感じたことがある」と答えた人が全体の27.6%
という衝撃の結果も・・・
仕事のプレッシャーが大きい
仕事自体の重圧・責任が大きいというのも、うつ病を患うひとが多い原因のひとつです。
よく言われるのは「公務員は間違ってはいけない職業」だということです。人間なので当然ミスを犯すことはありますが、公務員の場合は、当然市民からの目も厳しいですし、議会対応や細かい文書の作成などにおいても、非常に大きな責任が付きまといます。
これは公務員の逃れられない運命だといえるでしょう。
仕事上、細かい修正や細心の注意が必要
仕事のプレッシャーの大きさと重複する部分もありますが、特に公務員は細かな修正や、成果物への細心の注意が必要です。
「文書の‘‘てにをは‘‘を修正するためだけに、1時間弱のミニ会議が開かれる」なんていうこともあるようですから、かなり精神をすり減らすでしょうし、議会の方向性や政治家の意向によって、仕事が左右される部分もあるので・・・
大雑把な性格でない人であっても、かなり大変な業務ですね。
当然、上司からのプレッシャーも強い
そのように大変細やかな配慮や修正が必要なわけですから、成果物をチェックする上司からのプレッシャーも強くなる傾向があるようです。
部下のミスを見逃してしまうと、自分のミスになってしまいますからね・・・やはりこのような部分が公務員ならではの大変な側面だといえるでしょう。
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うつ病になった公務員の体験談
普通になりたかった
うつ病にもならないで会社もやめないで普通に働いて普通に結婚して普通に生きたかった…
— 元公務員うつ病ニートkin@はてなブログ (@munoulife) 2017年5月16日
(※SNSなどではうつ病と闘いながら、匿名で思いを発信している方が多数いらっしゃいます。)
ここで実際にうつ病になった公務員の方の体験談をいくつかご紹介します。共感できる部分もあるでしょうし、中には「まさに自分と同じだ!」と思えるものもあるかもしれません。
住民からの要望には、できる限り応えていきたいという思いで働いていました。しかしある日、上司からこんなことを言われてしまったんです。
「仮に君が‘‘こうすべき‘‘と思ってやったことでも、俺だって忙しいし、みんな忙しいんだよ・・・そんな馬鹿みたいに丁寧に対応していたら、他の住民も自分も自分もっていうふうに、同じような対応を求めてくるんだよ、お前以外が担当したときにだぞ・・・。」
たしかにその通りなんだけど、こんな上司の下で、住民をある意味で‘‘さばく‘‘ような形で働くことが嫌になってしまいました。
結局、診断書をもらっていまはゆっくり休職しています。
地方公務員 男性 (28歳)
公務員はなにをするにしても上の許可が必要ですし、そのすべてが税金によって行われていることなので、当然プレッシャーも感じていました。
簡単な書類に印鑑を押す、それだけでも責任の重さを感じるようになり・・・
最終的には体調を崩して、心療内科を受診したところ「軽度のうつ」と診断され、いまでも薬を服用しながら、だましだまし働いています。
地方公務員 女性 (25歳)
このように公務員でうつ病を発症する方は、
- 仕事のプレッシャー
- 上司のプレッシャー
- 細かな事務作業
などに追いつめられ、うつ病を発症してしまうケースが多いようです。
公務員がうつ病で休職する方法
国家公務員が病気のために長期休養をする場合は、人事院の規定により手続きが定められています。
地方公務員の場合も、これに準拠した形で地方の条例によって手続きが定められています・・・このように固く書くと難しいような気がしてきますが・・・、
ご安心ください!
まずはお近くの心療内科やメンタルクリニックを受診しましょう。もしあなたがうつ状態であるならば、治療のために休養が必要だという、医師による診断書が取得できます。
先生に「診断書をお願いします」と頼めば問題ないでしょうし、お願いしなくてもたいていのケースでは診断書を交付してくれるはずです。
心療内科やメンタルクリニックを受診するのには、どこか後ろめたい気持ちがあるかもしれませんが、なによりもあなた自身を大切にしてください。
- 辛い
- 苦しい
- 働けない
そう思うのはこころのパワーが弱っているからです。一生懸命仕事を頑張ってきたんですから仕方がありませんよ。まずは‘‘自分を大切に‘‘これが一番です。
診断書を取得したら、上司に連絡
あとは電話で構いませんので上司に連絡を入れましょう。
- 体調が悪く、家族のすすめで心療内科を受診した
- うつ病と診断されて診断書を取得した
これらを伝えて、あとは手続きを上司に任せましょう。あなたがまずすべきこと、それは‘‘休む‘‘ということです。
細かな事務面で上司から連絡がくる場合があるかもしれませんが、とにかくこれであなたは休むことができます。あとは治療に専念しましょうね。
公務員がうつ病で休む場合のお金の話
気になるのは給料のことですよね。
公務員の場合は、まずは病気休暇という形で、3か月間は100%の給与が支払われ、以降は休職扱いになるようですが、その場合でも1年間は給与が支払われ、支給額は通常の80%になります。
休職1年が経過すると無給に?
休職期間は3年間ですが、休職後1年が経過すると給与はなくなってしまいます。
この期間にうつ病の治療に取り組み、職場復帰を目指す、あるいは転職を考えるといったことをしたいところですが、やはり最優先はうつ病の治療です。
思うように快方に向かっていない場合は、1年以上の休養が必要になりますが、その際の金銭面については傷病手当金を請求することで給与の2/3が1年半にわたり支給されることになります。
まとめると・・・
- 3ヵ月間は100%の給与
- その後は休職扱いで、1年間は80%の給与
- その後1年半は、給与の2/3の額の傷病手当金
- 休職扱いは3年間
ということになります。
さいごに
いかがでしたか?
公務員の方にうつ病が多い原因や、体験談、休職中のお金の話などをまとめました。
まずはうつ病の治療には休むことが重要です。このサイトのほかの記事も参考にしていただいて、うつ病と上手に付き合っていきましょうね。
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