融資審査基準を満たす経営者の10の条件とは?銀行員が中小企業社長向けに資金調達のコツ・ポイントを教えます!

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社長室

どうも、鬱リーマンです。

突然ですが「鯛で海老を釣る」という言葉をご存知でしょうか。これは銀行の融資というビジネスを釣りに例えた言葉です。鯛は高級魚、融資でいえば貸出する融資金です。そして海老は小さく値段も安い、融資でいえば銀行が受け取る金利です。つまり銀行は鯛という高級魚(=大きなお金)で、海老という大衆魚(=小さなお金)を稼いでいるということですね。

特に法人融資は金額も大きくなることが多い上、金利競争も激しくなっていますが、この法人融資こそ銀行の本来のビジネスモデルであり、銀行の根幹です。

今回は実際に銀行の法人融資担当者として、累計200社前後の融資担当をしていた僕が考える、文句なしに融資審査基準を満たす社長・経営者の条件について迫っていきます。銀行員が法人の融資審査をする際に最も注意し、重視しているのが経営者の資質です。この傾向は特に中小企業に対する融資については顕著です。

これから挙げる10の条件は、ただの融資審査の基準というだけなのかもしれません。しかし200人以上の中小企業経営者と面談してきた僕の経験、その全てを注ぎ込んだ渾身の内容であることは保証いたします。それではまいります。

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具体的な夢や目標、ビジョンがあるかどうか

夢を抱く社長

  • 3年後には売上を120%に増やす!
  • 5年後には従業員全員の給与を2万円上げる!
  • 10年後には本社ビルを建てる!

このようなものが具体的な夢、目標、ビジョンであり、「とりあえず食っていきたい」といった程度のものは夢や目標ではありません。銀行員は「社長の経営者としての夢は何ですか?」と率直に尋ねてくるでしょう。なぜならこの質問に対する答え方で、社長の経営者としての資質がわかるからです。

もし社長が口ごもることなく「3年後に売上を120%に増やしたい!」と答えたとしたら、仮にハッタリだったとしても銀行員的には‘‘まあひとまずはOK‘‘です。しかし考え込んでしまったり、ぼんやりとした答えしか返ってこない場合、銀行員は経営者の資質を疑います。

銀行員は夢や目標が無かったり、はっきりと答えられない経営者を、「目の前の問題で手いっぱいで追い込まれているのでは?」、「やる気がないんじゃないか?」と勘ぐる生き物なのです。

特に中小企業は社長=会社というくらいに、社長の人間性や思いが会社と同化して良くもなれば悪くもなるもの。有能な経営者は、高い理想や具体的な目標を掲げて自分の会社を経営してるので、これは融資審査での重要ポイントです。

数字に強いかどうか

数字に強いというのは、正確に言えば会社の数字を把握しているか?ということです。超絶有能な経営者は、目の前に資料が無くても、

「今月の売上は300万円くらいで去年より少し減っているけど、来月に1,000万円のA工事の代金が入るから、資金繰りは問題ないね。むしろ400万くらい余裕が出るよ。A工事は外注費も少なく済んでおいしい仕事だったから、粗利で500万は出てると思うよ。」

と、これくらいの長文で一気に答えてしまうものです。あ、これ経験談です(もちろん内容に‘‘ぼかし‘‘は入れていますが‘‘盛ってはいない‘‘です。)。駆け出しの融資担当者だった僕は「この社長やべぇ!」と衝撃を受けたものですw

業界の話題が豊富かどうか

当たり前に聞こえるかもしれませんが、これも銀行員が経営者の能力を測るために注目するポイントです。銀行員もバカではありませんから、ある程度は担当する業界について勉強していますし、その会社以外にも同業の複数の会社を担当しているケースも多いため侮ってはなりません。

業界の話題になり、銀行員が「へぇ!」「知らなかったです!」と反応した場合は、(まあ銀行員が無知なケースもあり得ますがw)ひとまずOKとしましょう。ちなみに僕が感心した、ある運送会社の社長が教えてくれた業界の話題はこんな感じ。

「原油価格が下がってるから軽油(トラックの燃料)も安くなって、ウチ的にはコストが下がるかなって思ったんだけど、結局うちが請け負ってる仕事の半分は大手でしょ?あいつら軽油の動きとかにもめちゃめちゃ反応が早いから、すぐさま仕事の価格下げてきてさ。」
「つまり売上代金自体も下がるから、軽油が安くなってコストが減っても、利益は変わらないの。まあ大手以外の小さな仕事も意識して取るようにしてるから、少しは原油安の恩恵はあるけどね。」

こんなふうにマクロ(原油安)からミクロ(運送代金の変化)までの経済状況をしっかり把握して、大手相手の仕事(利幅が変化していない仕事)でなく、小口の仕事(利幅が増えている仕事)を増やすという対策をしているというところで、非常に感心させられましたね。

社長は創業者?2代目、3代目?

創業社長と2代目社長

僕の上司にあたる融資課長や融資審査をする本部のベテラン銀行員は、意外とこれを重要視しています。僕に融資を叩き込んでくれた上司は、頻繁に「まずは社長が創業者かそうじゃないか調べろ!」と言っていました。

その理由は単純で、創業社長というのは0から事業を作り出し、会社という資産を築いてきた経験があるので、時代が変わっても有能な経営者としての資質は変わらないということです。

逆に2代目や3代目は、こういった苦労を知らずに‘‘頭でっかち‘‘になっていたりするということが、ベテラン銀行員の経験則的に多いようなので、それらに部下にあたる担当者も必然的にこの要素を重要視するようになるのです。創業社長でない場合は、古くから会社の屋台骨を支えてきたような‘‘宿老‘‘的な社員がいるかどうか確認することもあります。

後継者を育てているか

日本全体で高齢化が進み、高度経済成長を地方で支えてきたような中小企業のトップにも、世代交代の波が来ています。それに加えて利ざやが縮小し、手数料ビジネスに躍起になっている銀行業界ですので、中小企業の相続対策としての自社株評価の引き下げコンサルや、保険と生前贈与を活用した相続税対策コンサルも、今やどこの銀行も注力しているサービスです。

さて中小企業は社長=会社だと既に申し上げたとおりですが、社長が亡くなっても会社は存続しますし、団信に入っていれば保険金でカバーできる住宅ローンと異なり、事業性の融資金はチャラにはなりませんw

特に超優秀な創業社長のワンマン経営で潤っている会社であっても、息子はプータローで後継者が育っていないということであれは、銀行員的にはなかなか融資しづらいものです。それこそ社長が高齢で健康状態に不安がある場合は‘‘危ないぞ‘‘と構えてしまうのが銀行員の基本スタンスです。

出身は営業畑?管理畑?

これはどちらが良いということではありませんが、経営者のタイプを見抜く上で、銀行員はこの2タイプに分けたがるということだけ覚えておきましょうw

  • 営業畑出身→人付き合いも良くて優秀なセールスマンだけど、数字のことわかってないんじゃない?
  • 管理畑出身→数字や係数観念はバッチリだけど、新規開拓とか売り込みとかできないんじゃない?

といったように銀行員は考えます。重要視するのは社長と逆のタイプの人間がいるかどうか。最高なのは会社のナンバー2が社長と逆のタイプの人間な場合ですね。

会社経営に専念しているか

ゴルフの打ちっぱなし

これは見出しの言葉通り。意外と会社経営以外のことにうつつを抜かしている社長が多いからです。そんな不良社長の代表例はこんな感じ。

  • ゴルフやりすぎ年中真っ黒社長
  • 株や不動産投資に夢中な副業社長
  • 地元のスナック入り浸り好色社長
  • 政治大好きコネクション自慢社長

感心するおもしろい(笑える)失敗談を持っているかどうか

これは結構主観なのですが、累計200社前後の中小企業の融資担当をしていた経験から思うところなので、あえてお話しさせていただきます。ちなみにこんなことを言う銀行員に出会ったことはありませんが悪しからずw

それでもまず断言しておきますが、全ての経営者は必ず失敗をしています。そしてそれを乗り越えて、現在も会社が存続しているのです。感心する失敗談とは、

「10年前、水道工事の受注が一気に無くなって大変なことになったんだけど、ガス管の工事を始めてなんとか乗り切ったんだよ。」

という感じで、失敗したけど‘‘こうやって復活した!‘‘という尾ひれがついているものです。

逆に「俺は失敗したことなんてねぇ!!」と豪語する社長はそれこそ‘‘笑えない‘‘失敗を隠しているのでは?と疑心暗鬼になるのが銀行員です。銀行員が想像する社長が隠しているかもしれない‘‘失敗‘‘はだいたいこんな感じです。

  • 過去に何回も会社を倒産させていて、今の会社の決算書には載っていない負債(借金)がある
  • 独立前に勤務していた会社から顧客をごっそり奪い取ったので、業界からは完全に干されている
  • 人には言えないような‘‘黒い人脈‘‘があったり、‘‘黒い仕事‘‘をしていたか、今もしていたりする

プライベートな部分は問題ないか

これは銀行員的にはどこまで踏み込めるか微妙なところなのですが、できればがっちりと把握しておきたいと思っているポイントです。

  • 重大な病気を患っていないか?(健康状態)
  • 家庭環境か正常かどうか?(夫婦や親子の関係)
  • 悪いことをしていないか?(色んな意味で)

このあたりは気にする銀行員が多いですね。

従業員からの評判は良いか

不満げな従業員

ここも銀行員的には突っ込んでいきたいポイントです。社長ひとりと面談しているだけでは会社の本当の実態は掴めないからです。表面的には良い人のようにふるまっていても、従業員に対する待遇であったり、態度であったり・・・

従業員が社長についてくるような会社でなければ、いまは良くてもいつかどこかでつまづいてしまうと銀行員は考えます。

まとめ

いかがでしたか?

これまで法人融資担当者として200人の社長と面談してきた経験をすべてぶち込んでみたので、とても疲れました。読み返してみると融資基準というより、良い経営者の条件のようにも見えますねw

まあ良い会社には良い経営者がいるものです。そして銀行は良い会社に融資したいんです。貸したお金は返してほしいもん。

そんな感じでお送りしてきました。今後も法人融資の経験から色んな記事をお届けしていきますね。

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