どうも、鬱リーマンです。
一応銀行員の端くれとしていろいろ経験してきています。半沢直樹的な法人融資もやっていましたし、個人宅に突撃して金融商品を売ったり、銀行の中でもいろいろしてきた方ですね。
結構辛いこともあったんですが、その中でも法人融資を担当していた時の「融資お断り」、これは辛かったです・・・。もちろん一番辛いのは社長ではありますが、銀行員としてもなかなか重たいですよ。特に新規融資はこちらからセールスをかけていない先の場合、結構ハードルが高いです。
ただ、融資が断られるのには断られるなりの理由というものがあります。今回は社長・会社経営者向けに、新規で会社に融資を受ける際のポイントを、あるラーメン屋の社長のエピソードをもとにお話ししていこうかと思います(もちろん実話ベースのフィクションです)。
スポンサーリンク
p>
目次
飛び込みの新規融資相談はやめておけ!
意外かもしれませんが、このように全く取引のない会社の社長さんが銀行にふらっとやって来て、言ってしまえば「お金貸してください・・・」なんてこともあるんですよ。特に地方都市が多いかもしれません。
銀行員的には結構不安・・・
ただ、この飛び込みの融資相談、銀行員的にはかなり不安です・・・なぜなら、アポなしの急な融資相談なので、
- メイン行に融資を断られたのか?
- かなり経営状況が悪いんじゃないか?
- 資金繰りがひっ迫しているんじゃないか?
といったようなことが脳裏をよぎるからです。いずれにしても社長としては、銀行員が抱いたこのような疑問・不安を解消していかなければなりません。
いずれにせよ飛び込みでの融資相談は、銀行員に上記のような疑念を抱かせてしまうので、知り合いの社長さんに紹介してもらうなりして、アポを取ったほうが賢明です。
また事前に会社の決算書(直近3期分)等の資料を送って頂いた上で、
- なぜ資金が必要なのか?(資金使途・資金背景)
- いくら必要なのか?(融資希望金額)
- いつまでに返せるのか?(融資希望期間)
- どうやって返すのか?(返済方法・返済財源)
このあたりを事前にお伝えいただいていると、実際に面談を行った際、スムーズに話が進みます。
資金使途・資金背景はしっかりと伝える!
ということで、まずは‘‘飛び込み融資相談‘‘という不安ポイントが解消されました。このラーメン屋さんは今まで無借金でやってきたので、メイン行に融資を断られたわけではないということです。また、無借金ということを考えると、経営状況的にも問題なさそう・・・
そこで次に資金使途を確認します。
今回のケースでの資金使途は、物産展への出店が増えるため資金繰りが悪化するので、その間の運転資金が必要であるということです。真っ当な資金使途が確認することができました。
これに加え、
- 返済財源は、物産展の売上を充当すれば問題ない。
- 融資期間は、物産展の準備に取り掛かる時期から物産展の売り上げが入るまで。
というふうに、資金使途が判明しただけで融資のざっくりした組み立ても完成してしまいましたね!!
融資希望金額も明確に伝えましょう!
こんなふうにしっかりと理由をつけて、融資希望金額を伝えていただけると、スムーズに融資審査を進めることができます。またこの社長のように、支払の契約書類といったエビデンスを持参いただけると、非常に助かります。
その他のエビデンスとしては、今回のケースでは物産展でしっかりと売上が確保できるかも確認したいので、参考資料として過去の物産展での売上データも徴求しました。
それなりの決算書になるように経営に注力する!
続いて決算書の中身を確認させていただきます。不明点があれば銀行員から質問が飛んできますが正直に答えましょう。当たり前ですが、毎期赤字を垂れ流しており、財務状況もボロボロの会社にはお金は貸したくないです。
創業融資や創業間もない企業への融資に関しては、事業計画次第な部分もあるので、決算書の内容がすべてではありませんが、まずはそれなりの決算書になるように経営を頑張ってください!
貸借対照表のポイント
- 債務超過ではないか?
- 繰越欠損が出ていないか?
といった財務状況の健全性を確認させていただきます。もちろん財務状況が悪い場合でも、何か好転する材料があれば前向きに検討できる場合もありますよ。
さらに過去を遡って、財務状況がどのように推移してきたかについても確認していきますので、決算書は最低過去3期分を提出してください。
損益計算書のポイント
損益計算書をみるときに、基本的に銀行員は利益から遡ってみていきます。
- 少額でもかまわないので利益が出ているか?
- 費用に過大な点や不審な点はないか?
- 売上規模は同業他社と比較して多いのか、少ないのか?
といったポイントをみていきます。もちろんこちらも過去からの推移を見させていただきますし、決算期からあまりにも離れた時期の融資申込である場合は、試算表も頂戴して最新の損益状況や財務状況を確認させていただきます。
ここからは決算書とにらめっこして、粉飾していないかどうかについてもじっくりと確認していくのですが、ともかく決算書について聞かれたことに関しては正直に答えるようにしましょう!
担保や保証も前向きに検討する!
このように新規融資に関しては、これまでの返済実績が無かったり、不透明な部分があるため、何らかの形で担保が必要になるケースがあります。その際によく利用されるのが上記の保証協会付融資です。設備資金の場合を除き、新規融資で不動産担保等をいただくことは多くありません。(※そもそも設備資金での新規融資はあまり聞きませんね。)
このように、融資の実績が無かったり、財務状況や損益状況に不安がある場合等には、銀行側としては保証協会等の担保が欲しいところです。もちろん企業側にとっては負担は大きくなるのですが・・・
今後、その銀行と長くお付き合いすることになる可能性もありますし、どうしても資金が必要というような切迫した状況なのであれば、このような担保や保証人といった部分も前向きに検討しましょう!
まとめ
いかがでしたか?
社長向けに新規融資を銀行に申し込む際の、最低限のポイントをまとめてみました。
- アポなしの申し込みはなるべく避ける。
- 資金使途・資金背景を明確に伝える。
- それなりの決算書ができるように経営に力を注ぐ。
- 担保や保証も前向きに検討する。
最低限これらを意識していきましょうね!ちなみにこの会社には物産展にかかる運転資金として保証協会付の短期貸出300万円が実現しました!!
といった感じで、今回の融資でいい関係が築けたことも、お互いにプラスになりましたね。
最後までお読み頂いたそこの社長!必見記事です!!
スポンサーリンク
p>